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スマホから入力して、私は誘惑に負けた。
一コール。
二コール。
…出ない?
『はい』
出た!
女の子じゃなくて、低い男の声がする。
「あの、その、紙を見ました!」
『ありがとうございます。貴方の心のサンタ、テルベルサンタです』
紳士的な、畏まった言い方に胸がときめく。
これは、その、えっちな女の子じゃなくて艶っぽい大人の女性を用意してくえるのでは。
「あの、では、何時くらいに来て頂けますか」
『今すぐに』
「おおお。今すぐ!」
慌ててシャンパングラスをもう一つ用意しようとキッチンに走った。
『今、貴方の家の前に来ています。プレゼントと共に』
「え? もう?? でも、私、住所なんて」
『開けて頂けますか? 蘭丸さん』
?
何でデリヘルサンタが私の家の前に?
まるでメリーさんみたいで、ちょっと首を傾げてしまうものの、
言われた通り、玄関までペタペタと走っていく。
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