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クリスマスリースがきらきらと輝く玄関を、スロープから確認もせずに開ける。
「蘭丸さん、メリークリスマス」
開けた先には、サンタの帽子を被った、可愛いくてむちむちした女の子、ではなく。
気障ったらしく、目元や口元を甘く微笑ませた、サンタ帽子のイケメン。
――イケメン?
きょろきょろと玄関から外を眺めるが、可愛くライトアップされた庭には、このイケメンしかいない。
しかも、この人って。
「え、あの、キミ、うちの会社の依頼を受けてくれている、瑛(てる)くんだよね?」
「はい。でも会社ではなく、貴方だから依頼を受けていますよ、蘭丸さん」
――蘭丸さん、と甘い含みを持たせて声が、妙に艶めかしくて、背中がゾクゾクした。
この人、イケメンだけど、いつも話すとき顔が近いし、やたらスキンシップしてくるし、笑顔や声がセクシーだし、ちょっと苦手なんだよね。
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