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下の名前で呼ばなければ俺の膝の上から退きません、とか言ってオフィスで私が座っていた椅子をガッと引いて上に座ってきたんだ。1秒も立たずに瑛くんと呼んで退いて貰ったけど。
きょろきょろ、背伸びをしたり瑛くんの後ろを回り込んだりして、可愛い女の子を探す。
「何をしているんですか?」
「電話で呼んだ可愛い女の子を探している。溢れんばかりに実った胸を、頑張ってミニスカサンタ服に押し込んだでいる恥ずかしがり屋の女の子を」
「うーーん」
瑛くんは少し考えてから、スマホを取り出した。
「可愛い女の子じゃなくて、蘭丸さんにメロメロなテルベルサンタを召喚しませんでしたか?」
「してないよ。私は娘に貰ったピンクのカードを」
「ふーん。も一回鳴らしてみてください。その電話番号に」
唇を尖らせてちょっと拗ねた様子の瑛くんがそう言うので、もう一度発信履歴から電話してみた。
すると、瑛君の胸ポケットから、『戦場のメリークリスマス』が流れだした。
何でそんなチョイスなんだ?
「あの、瑛くん」
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