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「俺と同じ役目を負っているものは、みんなそうなんですが……あなたたちのように、直接敵を倒すための特殊な力はない代わりに……治癒力だけは、並外れて高いんです。俺たちが相手にする悪鬼は……餓鬼より攻撃力が高いので、こちらもケガをすることが多いからだと思うんですが……この傷も、明日の朝までには治りますから」
「でも、熱もあるのに……ちゃんと診てもらわなくていいのかよ」
「大丈夫です。この熱は病気から来ているものではなくて……傷が治るときには、必ずこんなふうに発熱するんです。だから、心配しないでください」
こんなときなのに、慧はオレを安心させようとするように、目元だけで微笑んだ。
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