4 台風の夜-2

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 オレは首を傾げたが、せっかく眠った慧をわざわざ叩き起こして聞くようなことはしたくなかったので、それについては今は考えないことにした。  餓鬼や悪鬼が出たら、そのときはまたそのときだ。  慧は、治療は必要ないとか言っていたが、やっぱり心配なので、しみない消毒薬で傷をきれいにし、氷枕で頭を冷やしてやった。  背中全体が赤黒く腫れ上がっているような、こんなひどい傷が、一晩で治るとはとても思えなかったが。  慧は、今までオレにウソをついたことはないので……信じられないけど、きっと本当に治るんだろう。  オレの手当てなんて、あんまり意味がないのかもしれないけど、でも、慧にはちょっとでも楽になってもらいたかった。 (それにしても、この傷……何でこんなことに……)
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