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ーどーでもいい事はないだろ。
イタチってのも名前じゃないしー
織斗はうーんとうなり腕組みをする。
そんな織斗をイタチはじっと見つめていた。
ー呑気なものだなー
イタチは机から飛び降りると、織斗のもとへテコテコと歩く。
その姿は、とても可愛らしい。
イタチはベッドの側まで行くとぴょんとベッドに飛び乗り織斗を眺める。
なんの変哲も無い、いたって普通の少年。
なにか突出した才能も無く、ここ1ヶ月見た限りでは、本当に中の中のポジションに位置している。
何故、こんなやつが、主であり、パートナーなのか。
イタチは首をひねり、考えに没頭する。
全くわからない。ただ、唯一才能があるとすれば、「創造力」だろう。ただその点で、あれば、織斗でなくとも良いものだが。
なにか、織斗には選ばれた理由があるのだろう。
イタチは考えるのをやめた。
考えても、この世界の理が決めた事が分かるはずが無い。
「なあ、聞いてる?」
はっとして織斗を見る。
どうやらずっと話しかけていたらしい。
ー頭に話しかけてるの聞いてるのかー?ー
ーあぁ聞こえている。ー
イタチは頭の中で返事をした。
ーイチってのはどうかなー
ーは?ー
イタチはいきなりの話題についていけない。
ーだから、お前の名前!ー
織斗は真剣な眼差しでイタチに宣う。
そして、一瞬の間。
ーださー
動物の顔の表情でも分かる、荒んだ眼差しを向けられ、うぐっとなる織斗にイタチはたたみかける。
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