2人が本棚に入れています
本棚に追加
ーだいたいなんでイチなんだ?ー
ーいや、イタチだから…ー
ーもしかして、イタチの略か?
最近の若者はなんでも略称したがると聞いたが、ここまでくるとバカだなー
ーうぐっー
なにも言い返さない織斗にイタチはフンと鼻息を荒くした。
ーだいたい名前など…ー
「イタチじゃ、名前じゃないだろ?それにパートナーなんだから名前とかあったほうがいいだろ」
イタチの言葉を遮り織斗はしゅんとしたままつぶやく。
その姿を再びイタチは眺めた。
そして
ー感傷的になると口にだして会話したがるのか人間はー
と少し笑いを含んだ口調で織斗の頭に語りかけたのが
織斗に通じた。
ーバカに、された。イタチにー
織斗が沈んでいると、
ーイタチではない。ー
といつもの言葉が返ってくる。
私は動物のイタチではない。ゼプトだと。
いつもの会話であったのだが。
ーイチ。なのだろう?私は?ー
思わぬ返答に
「は?」
と織斗は返してしまう。
ー織斗、お前がつけた名前だ。
もう忘れたのか?ー
イタチは織斗のそばでくるりと丸くなる。
そして織斗のほうを向かず頭の中で会話を続けた。
ー気に入らない名前だが、まぁ、ないよりはよいだろうー
戦闘時にイタチより、短い
イチの方が良いしななどの言葉に織斗はへへっと笑う。
ーイチ、よろしくな!ー
織斗はイチの頭をガシガシと撫でた。
最初のコメントを投稿しよう!