第一部 1.

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まぁ、 俺と弟の櫂は相変わらず一緒に暮らしてるけど、 部屋は別々になった。 夢はすべてかなっていた。 アイツが俺のそばにいないということを除いては。 あの時どうしてきちんと引き止めなかったのだろう。 それだけがずっと心残り。 みっともないと思われてもいい。 呆れられてもいい。 正面からぶつかってたら、 きっとこんなに未練たらたらなんてダサいことにならなかったんだろう。 アイツの口からはっきりそうと聞いたわけじゃないのに、 勝手にあの男との関係を疑って終わらせてしまった。 だからほら見てみろ。 あいつがちゃんとやってるか気になって気になってしょうがない。
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