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その切ないのに挑発的なまなざしにドキッとし、 体が熱くなる。 そして公共の電波にのって何万もの人が見ているだろうに、 『そんな顔他の人に見せないで』 思わずそんなことを思ってしまった自分に苦笑いする。 ――遼、 頑張ってるんだね。 偶然が重なって普通の女の子として普通の暮らしを体験したあの一ヶ月、 そして遼を愛し愛されたことは私の大きな支えになっていた。 時折思い出しては自分のパワーに変えている。 何より大切な私の夢の記憶。 あの後、 伸也に言われた。 「なんだか人間っぽくなりましたね」 …そうかな。
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