第一部 1.

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「あ…やっ、 ダメ…」 何回教えても「いい」じゃなくて「ダメ」っていうアイツと同じセリフ。 アイツによく似た大きな茶色の瞳、 サラサラの髪、 すらっと長い手足、 透き通るように白い肌。 ――でもやっぱり全然違う。 アイツ今頃どこで何してんだろうなぁ。 会いたいなぁ。 頭の隅でそんなことを考えながら別の女を抱く。 いや、 「抱く」なんてもんじゃない。 女を使ったただの自慰行為を「ヤル」 「もう帰るの?」 支度するためにベッドから降りた俺に、 名残惜しそうに声をかけてくる女。 「何?あんだけイッたのにまだ物足りないの?」 「んもう、 そういう恥ずかしいこと言わないで」
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