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まるで同窓会で昔の友達に会ったようだった。 千紘との勝ったり負けたりのやりとりが楽しかった。 一ヶ月しかいなかったあの時の話題に花が咲き、 また音楽の話で盛り上がり、 男の子三人(みんな17歳だそうだ)の期待いっぱいの夢を聞き、 当時の遼たちを思い出す。 遼がどれほど憧れの存在かを聞かされ… 久しぶりの「普通」を楽しむ。 途中千紘に聞かれた。 「皆に会う?呼ぼうか?絢人と直樹は地方行っちゃってるから無理だけど」 ――要は遼に会うかと聞いてるんだろう。 会いたいけど会えない。 あんな別れ方しておいて会えるわけがない。 「会う資格ないから」 ゆっくり首を横に振りながらそう答えると 「ふ~ん」とだけ言われる。
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