2.

22/68
前へ
/607ページ
次へ
驚いている男のカバンから勝手にカメラを出してルークに渡すと、 ルークが画像の確認と消去を始めた。 「こういう店なのに今日二人目だよ。 一人目は伸也が対処したと思うけど。 本当に千紘すごい人気なんだね」 途中から事態を飲み込んだらしい千紘がポリポリと頭を掻く。 「あんた、 どっかの出版社所属?フリー?」 男がそこそこ発行部数のある写真週刊誌の名前をあげる。 「あいつら、 今度デビューさせる予定なんだけどね。 宣伝になるならいいよ。 どうする?撮る?」 もう千紘ったら商魂たくましくなっちゃって。 しょうがないので男のカメラを掴み私が撮った。 余計なグラスは片づけて、 いかにも千紘と男の子たち三人が打ち合わせているのを隠し撮りしたような写真を。 それでカメラマンはとっとと追い返す。
/607ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1034人が本棚に入れています
本棚に追加