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「お前昔から写真嫌いだよな。 うちにあった写真も自分が写ってんの片っ端から処分しやがって」 千紘に言われる。 「撮られるのが商売の芸能人なんてやってる人と一緒にしないでくれる?」 「お前の写真、 一枚だけ残ってるんだぜ?知らないだろ」 え?嘘? 千紘はニヤニヤ笑ってる。 真偽の程を確かめようと沙紀を見ると肩をすくめてる。 …本当なんだ。 千紘が俺の勝ちなって顔をしてるのが憎たらしい。 私からの追及を避けるように沙紀が立ち上がる。 「さ、 そろそろこの未成年たち帰すから、 私タクシー乗せてくるね。 戻ってきたら今日は私と女子会しようよ。 ここのケーキ、 テイクアウトして。 千紘と泊まる予定で部屋とってあるんだ。 千紘は追い返すから。 マリアどうせこのホテルに泊まる予定なんでしょ? スイートルームには敵わないけど」 沙紀…。 会った時から千紘と同じ。 ちょっと強引なとこもあるけど無理矢理私を陽の当たる場所に連れ出してくれるこの強引さが大好きだった。
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