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「私、 幸せだよ。 あの時みんなと暮らしたことが、 遼に会えたことが私のパワーになってるから」 でも千紘は 「過去振り返って幸せっていわれてもねぇ…」 とかブツブツ言ってる。 「男いないの?」 相変わらず聞きにくいことをズバリと。 おかしくなると同時に千紘相手じゃ誤魔化す気もなくなる。 「いないよ。 万が一遼みたいなのが私の世界にいたらとっくに死んでるかもね。 その人も私も」 ちょっとギョッとしたようだがお前も不憫な女だねぇとか言われて流される。 その時沙紀が帰ってきた。 「さ、 マリアお待たせ~。 行こ行こ。 ここの会計しようと思ったら伸也さんが終わらせてくれてたみたい。 御馳走様。 だからって訳じゃないけどケーキは全種類買ったから。 ワインもあるよ~」 沙紀が持っている大きなケーキの箱を慌てて受け取る。 二人でどれだけ食べる気だろう。 笑ってしまった。
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