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ルークの 「あ、 部屋番号教えていただけますか?」 との問いに、 沙紀は鞄をごそごそしたかと思うとカードキーを見て、 「え~と、2803」 と答える。 え?ちらりと見えてしまった番号と全然違うじゃない…。 何企んでるんだろ? そう思ったが黙っておく。 「じゃ、 俺らは隣のバーで飲み直してから適当に引き上げるわ~。 あ、 マリア、 せめて新曲ぐらいはすぐに聞けよ」そう言われる。 私の手には隼人くんがくれた音楽プレーヤー。 「…うん。 分かった」 そう答えて沙紀とレストランを後にする。 「ねぇ、 沙紀、 何でルームナンバー嘘ついたの?」 部屋に向かうエレベーターで聞いてみると 「あ、 ばれてた?」 いたずらっ子のように笑う。
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