2.

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鏡の中の赤い目をした自分を見ながら悶々としていると ピンポン 部屋のチャイムが鳴る。 …沙紀がルームサービスでも頼んだのだろうか。 「お、 さすが。 仕事って言うと時間に正確だね」沙紀の声が聞こえる。 「なんだよこれ。 俺、 今日早朝から撮影だったの知ってんだろ。 すっげー疲れてんだけど」 不機嫌極まりない男の声、 この声… 「まぁ入って入って。 とりあえずワインでも飲んだら?奥にあるから」 男が諦めたように移動する気配がする。 「はい乾杯!」 私のグラスを見たのだろう。 「千紘いるの?」男の怪訝な声。 「ううん。 バスルームに絶世の美女がいるけど。 じゃ私は千紘のところに戻るから後はよろしく」 え、 沙紀、 行っちゃうの?嘘でしょ。
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