2.

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「は?何言ってんの? お前まさか枕営業とかさせるつもりじゃないだろうな」 「ん~、 それもいいね。 今日は七夕だしね。 ま、 どうするかは相手に会ってから決めて。 じゃ~ね」 「おい、 沙紀、 ちょっと待てよ」完全に怒りを露わにしている男の声を無視して、 バタン。 沙紀が出て行ったらしいドアの音が無情に響く。 …どうしよう。 遼に会う心の準備なんて全く出来てない。 「ったく。 ふざけやがって」 怒っている声が聞こえてくる。 が、 諦めたように静かになり、 恐らく私が出てくるのを待っているのだろう。 そのまま時が経過する。 そして、 しばらくして、 しびれを切らしたように、 私がいるバスルームの扉をノックする音が聞こえた。
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