2.

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そして左手でふわっと抱き寄せられた。 「マリア…ずっと会いたかった」 遼、 泣いてる? そして私はと言えば、 遼に会えた嬉しさと、 遼につらい思いをさせた申し訳ない気持ちと、 ひどい別れ方した罪悪感と、 こんなに好きでも一緒にいられない現実への怒りと、 いろんな思いがないまぜになって…さっきCRANKの曲を聴いた時と同じように訳の分からないまま、 でも今度はただ涙が流れるとかそんなレベルじゃなくて… もう小さな子供のように泣きじゃくっていた。 途中で遼が慌てたように私の腕を引っ張りソファに座らせてくれる。 私を落ち着かせるようにずっと背中をさすってくれたり頭を撫でてくれたりしてくれていたけど、 それでも私はどんどんどんどん涙があふれてきてどうしても泣き止むことが出来なくて。
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