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二年前に感じていた遼のオーラ ――強制的に私を包み込んで癒して溺れさせる彼のオーラ―― は健在で、 いや、 むしろそのパワーを増していて、 私にすべてのことをどうでもよいと思わせる。 もう麻薬でラリッてるのと変わらない。 私、 遼に関してだけは完全にジャンキー(中毒患者)だ。 「で、 お前本当に男日照りなの?」 は?何それ? 遼は足元に脱ぎ捨てたパンツをゴソゴソしていたかと思うとスマホを取り出し操作する。 「ほら。 千紘からのメッセージ。 さっき枕営業させられそうになってると思った時に見てマジムカついて速攻帰ろうと思ったけどな。 引き留めてくれて良かったよ」 笑いながら見せてくれたその画面には 『そいつ男日照りだから気をつけろ。 精気吸い取られ過ぎて明日の仕事に差し支えないようにしろよ』 とあった。
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