2.

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この期に及んでまだ逡巡してる自分が情けない。 遼はいつだって本心でぶつかってきてくれてるのに。 「私、 あの時も今も変わらず遼が好き」 言ってしまった。 言ってどうなるものでもないのに。 遼を苦しめるだけかもしれないのに。 「でも、 でもね、 私、 遼のそばにはいれらないことには変わりはないの」 あの時、 そう言った時の遼の絶望的な表情が脳裏に焼きついて夢でうなされるほどだというのにまた同じことを言ってるなんて愚かにもほどがある。 私一体なにやってるんだろう。 でも、 今の遼は相変わらず優しい目で私を見ているだけで、 ふーん、 それが何?って感じ。 「あの…遼、 ちゃんと聞いてる?」 あまりにもリアクションがないので思わず確認してしまう。
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