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もう少しでこぼれそうになっていた涙が引っ込みキョトンとしてしまう。 私は遼のそばにいられない、 私たちにこの先なんてないという事実を真に受けていないってこと? それはそれで困る。 「あの…私、 そもそもずっと日本にいるわけじゃなくて海外にいる時の方がずっと多いんだよ」 本当の問題はそんなことではないけれど。 「ふーん。 日本には、 どのくらいいるの?」 「…年数回。 一回の滞在は長くて一週間とか」 「じゃあ、 その時に会おうぜ。 それで足りなかったら俺がお前がいるところに会いに行くし」 返す言葉もなく思わず無言になってしまう。 「Vega聞いた?俺、 例え年に一度だってお前に会えるならそれでいいし、 伸也でもルークでもお前が好きになれる男捕まえて幸せになったら身をひいてやるよ。 でも、 少なくとも今はいい歳して男日照りの女が言うことなんて説得力ないから」 ってそういえば俺お前の歳も知らないけど…まぁ未成年でも実は50歳のババアとかでもいいや、 と付け加える。
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