第一章  音楽室の出会い

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「あーつーいー!」 俺は持っていたコンビニの袋を、置く。 今日の最高気温38℃。  風も吹かず、クーラーもない教室。 「暑いなら北極行けば?シロクマに襲われてれば?」 「ああ、北極、いいね」 「あ、シロクマに襲われていいんだー」 「うるさい。黙ってろよ絵空(えそら)!」 俺は幼なじみの絵空に怒鳴る。 「あ、アイスいらないんだ」 コンビニの袋をあさるな! 俺は絵空が持っていたアイスを奪い取る。 「あ…私のプレミアムリッチバニラが…」 これ俺のだから!やっとアイスが食える! 俺の意識は、プレミアムリッチバニラに飛んでいく。 「あ、慧(けい)、担任探してたよ?お呼びだし。何やらかしたの?? 早く音楽室に行って来ないと。 アイスは私が食べてあげるから」 「ウソだろ~!?」 一気に現実世界に引き戻される。 さらば、愛しのプレミアムリッチバニラよ。 まだ食ってないが、きっと美味いんだよな…。 また会ったな、夏の暑さよ。 まず、担任教師の相原(あいはら)に会いに行くか。 ただ相原は職員室ではなく、音楽室にいる。 だから新入生は相原に用がある時職員室をたずね、いないと言われ、どこにいるのだ?と校内を走り回るハメになる。 「じゃあ、慧のプレミアムリッチバニラはもらったよ?」 ニヤニヤしながら言うため余計腹が立つ。 絵空、食べ物の恨みは怖いんだからな…。
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