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「あーつーいー!」
俺は持っていたコンビニの袋を、置く。
今日の最高気温38℃。
風も吹かず、クーラーもない教室。
「暑いなら北極行けば?シロクマに襲われてれば?」
「ああ、北極、いいね」
「あ、シロクマに襲われていいんだー」
「うるさい。黙ってろよ絵空(えそら)!」
俺は幼なじみの絵空に怒鳴る。
「あ、アイスいらないんだ」
コンビニの袋をあさるな!
俺は絵空が持っていたアイスを奪い取る。
「あ…私のプレミアムリッチバニラが…」
これ俺のだから!やっとアイスが食える!
俺の意識は、プレミアムリッチバニラに飛んでいく。
「あ、慧(けい)、担任探してたよ?お呼びだし。何やらかしたの??
早く音楽室に行って来ないと。
アイスは私が食べてあげるから」
「ウソだろ~!?」
一気に現実世界に引き戻される。
さらば、愛しのプレミアムリッチバニラよ。
まだ食ってないが、きっと美味いんだよな…。
また会ったな、夏の暑さよ。
まず、担任教師の相原(あいはら)に会いに行くか。
ただ相原は職員室ではなく、音楽室にいる。
だから新入生は相原に用がある時職員室をたずね、いないと言われ、どこにいるのだ?と校内を走り回るハメになる。
「じゃあ、慧のプレミアムリッチバニラはもらったよ?」
ニヤニヤしながら言うため余計腹が立つ。
絵空、食べ物の恨みは怖いんだからな…。
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