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ふぅ、と軽く息をついて、 「じゃあ…明日の…夜六時頃、祈谷神社に行くから、迎えに来てくれ」 「えっ……」 「………」 …あきらは、最初の荒っぽさはすっかり無くなり、 言っていた通り、今の青年は人と関わるのが苦手そうに、ずっと下を向いて声も小さい。 身の上話を聞いているとき、時々筆談が入ったりしていた。 えっ……と言ったのも、下を向きながらぼそりとだ。 「最初は迎えに来て貰えた方が助かる。家が分からないからな」 少しの間を空け、あきらはコクリと頷いた。 「有り難う。……あきら、お前すっかり大人しくなったな。最初の荒っぽさ何処行ったんだ?」 笑いながら言ってやると、あきらの耳は、真っ赤になった。
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