248人が本棚に入れています
本棚に追加
「ありがとうございます……」
「当然の事です、では今日はこれで失礼します、大通りの十字路にある宿で部屋を取っているので何かあればそこへ」
そう言って一礼するとリリアは席を立ち他の三人も後を着いていく。その時に何気なくチラリと部屋を見渡した英士の目がある一ヶ所に止まった。
「どうなさいましたか?従者様」
「あ、いえその、あちらにある鉱物は此処の鉱山で取れた物でしょうか?」
英士の視線の先には棚に銀白色や赤茶色等の様々な鉱物が飾られていた。
「はい、この街は炭鉱業が盛んでしたので……」
「少し手にとって見てもいいですか?」
「ええ、どうぞ」
ありがとうございます、と礼を言ってから英士は鉱物を一つずつ見ていく。そして一通り見終わると再度街長に礼を言ってリリア達とその場を後にし、明日の為に商店で物質の調達を行ってから宿に戻った。まだ日は高く、正午を過ぎた頃だ。
「さて、明日の詳しい話は夜にするとして、今からは各自自由に行動しましょう」
リリアのその提案に三人は賛同し賢者と勇者は街に、英士は宿で明日の準備をする事にした。そしてリリアはというと
「あの、リリアさん?」
「は-い、何です?」
ベットに座っている英士に後ろから抱きついていた。
最初のコメントを投稿しよう!