十三言、嘘つきな花束。

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「用事があるんだ!」 ぷいっと顔を背けた雷也は、明らかに怪しい。 嘘をつくのが下手クソなんて、――まだまだ大人に揉まれていないガキだ。 「あんなに言ったのに、約束を破ったんですね」 雷也はギクリと身体を動かした。 「これでは、貴方と私のビジネスも破綻です。マネージャーを変えましょう。丁度、キミみたいな美少年が好きな女性が一人、手が開いていますので」 やっと、俺に気を許しかけていた矢先に、女のマネージャーなんて嫌なのは分かり切っていた。 露骨に眉をしかめる雷也が、ぼそっと言い放った言葉は俺を殺すかのような爆弾だった。 「アンタの元恋人って男だったんだな。アンタが婚約したから花束作れって言ったら、すんなり承諾したぜ。その代わりもう関わるのはこれっきりだと」 「は?」 何で、そんな――。 そんな、『嘘』を。 「いつまでも女々しく連絡先を残してるのがうざくてさ。連絡も取れない癖に。 俺は、あんたの元恋人代わりに社長が見つけて宛がわれた人形なんて――本当に虫唾が走る」
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