十三言、嘘つきな花束。

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「違うんだ、俺は今回は本当にその、雷也が嘘をついただけで、キミを騙そうなんて微塵も思っていなかった。太陽にただ、許して貰いたくて、ずっと苦しかったんだ」 情けない、覚束ない言葉で必死で言いわけの言葉を並べた。 情けなくてもいい。呆れられてもいい。 ただもう、『嘘』でキミを傷つけたくなくて、必死だった。 「聞きたくない」 「太陽」 「もう、うんざりだ。八年も消えてたんだ。次に会うのは10年後か? お前はそんなに俺に会わなくても平気なんだから、今さら許して貰うなんて、おかしいだろ。誰が許すんだ?」 自虐的に笑うが、太陽は泣かなかった。 泣かない代わりに、泣きそうに悲しいブーケを俺へ投げつける。 宙に散らばる青い花弁が、まるで涙のように辺りを埋め尽くし、視界を奪った。 「椿は、もう一ミリもお前を覚えてない。ざまあみろ」 くくっと笑うと、机を蹴飛ばし小さくいてぇと零す。 「今さら、俺たちの前に現れたら迷惑ってことだ。お利口なお前になら分かるだろ? 寒田さんよぉ」
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