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「親父、起きて。起きてってば」
カーテンを開けられ、朝日が目に突き刺さる。
徹夜明けの朝には特に。
「あと……五時間」
毛布にくるまり寝返りを打とうとすると毛布を引っ張られ、極寒の外に放り出されるような冷たい空気が襲ってくる。
「あのさ、もうお昼なんだよ! 昨日は何時まで仕事してたか知らないけど、そんな風に限界越えて仕事するの止めてって言ってるだろー」
こいつ。
誰がお前のおしめを代えてやったと思ってる?
誰が夜泣きに付き合ってミルクやったりしてたと思ってるんだ。
あんな可愛かった椿が今じゃあ180センチ越えるクールイケメンだもんな。
俺にちびの頃はそっくりだったのになんで自分だけそんな身体に成長しやがったんだ。
「親父、聞いてる?」
「お前ももう18歳だもんな……」
「聞いてないね」
ため息を吐いた椿は、俺を無理矢理抱き起こす。
あ、目線が高い。
むかつく。
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