十四言、KENN

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「なんでご飯食べなくて仕事するんだよ。本当に倒れられると心配だから止めて」 プリプリ怒っている椿が、俺に山盛りのオニギリと山盛りのハンバーグと野菜がたっぷり入ったスープを用意してくれた。 俺の取り合えず炒めて焼き肉のタレをかける男料理ばかり食べて育ったくせに。 俺みたいに成長しなかったのは少し悔しいな。 「ビール飲みたい」 「はいはい。食後にだよ? 一本飲んだらすぐ寝ちゃうんだから」 「うるせー。ばかー」 「ったく。口が悪いんだから」 そう言いつつも面倒を見てくれる。 だがな、椿。 俺だってお前の親だから変化にはすぐ分かるつもりだ。 お前が買いそうにない、だがお前の好みのプレゼント。 冷蔵庫の奥に隠された薔薇の花びらジャム。 あれは誰から貰ったんだ? 恋人なら問題はないんだが……なぁんか嫌な予感がするんだよな。
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