十四言、KENN

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椿が大きくなり、あの日、俺が椿を受け取った19歳に差し掛かるまで年月は経った。 椿も俺と同じ可愛いモノ好きの甘いもの好きに成長したものの、なぜか180センチ近くの腹筋割れのイケメンになって、 仕事に没頭して倒れてしまう前に俺に食事を用意してくれるまで成長した。 この前なんて、通っているボクシングジムで喧嘩して相手をボコボコにしてしまうほど(一回不意打ちで殴られてるが) 自慢の息子だ。 最近漸く色付いて、朝帰りに見知らぬシャンプーの香りを漂わせてくるが。 ばれたくないならシャワーだけでシャンプーやらボディソープは使わないんだぞ。 俺は夜遊びする時、お前に見つからないようにそうしてきた。 まぁ香水の香りで椿に鼻を摘ままればれてたようだが。 俺みたいに恋やら愛やら分からずに、仕事人間に生きるよりはマシだ。 俺より十分人間らしい。 「そう言えば、親父さぁ」 甘い紅茶を淹れながら、椿が言う。
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