十六言、毎日。

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「椿くんは、ご飯上手ですね」 「え、あ、いや、でも、親父よりは上手いかな?」 普段、クールだの表情が変わらないだの言われてる椿がちょっと照れてる。 親の俺から言えば、めっちゃ嬉しそうに笑っている。 寒田も変わった。 もっと表情豊かだったのに、ちょっと機械みたいだ。 仕事人間になっちまったのか、初な真面目大学生が嘘だったのか。 なんか……もやもやする。 寒田と椿が笑いあってる光景が異質に感じて、気持ち悪い。 ――気持ち悪い。 消えてくんないかな、こいつ。 今さら、同じ位置まで戻れるわけねーんだからさ。 むしゃくしゃして、ホームページに来ていた依頼を全部承諾した。 クリスマス前のリースや花束、ホテルのロビーのクリスマスバージョンのデザインまで全て。 全てだ。 仕事に追われるクリスマスは毎度の事だから慣れている。
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