十六言、毎日。

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「あの小さかった椿が、恋をしてるらしい」 俺から話しかけられたからか、椿が恋をしているからか、寒田は目を見開いた。 「オムツ代えたり、ミルクやったり、誘拐されたりしたあの椿が、花を食べたい衝動にかられるような燃え上がる恋を……しているらしい」 それはちょっと寂しくて、何だか嬉しくて、 心配だけど俺からは手を離れて、椿自身が悩み傷つき幸せになるための感情。 「俺は……願うよ。椿の気持ちがうまくいくように。相手と気持ちが通じるなら、男でも女でも俺は構わない」 ただ、願う。そして、祈る。 「別れは胸を抉るから、嘘だけはつかないでやってほしいな。泣いてもいい、傷ついてもいい、ただ逃げてしまうような恋にならなきゃいい」 「太陽……。俺が貴方を傷つけるだけの存在でも、それでも好きな気持ちは止まらないんです」 「椿の恋は応援してやりたいが、俺はもう甘い恋なんてしたくない」
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