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「親父、起きろよ、親父ってば」
沖縄一日目、昼。
三人で汚したベットは――すっかりと綺麗にベットメイキングされていたが、一瞬椿の声で飛び上がってしまったじゃねーか。
流石に、息子に見せて良いものじゃねーからな。
これは。
「あー? KENNは? クソ雷也は?」
「KENNはシャワー。雷也と寒田さんはもう仕事だよ。この部屋からでも海辺の撮影見れるよ」
バルコニーへ椿が誘導してくるが、眠い。
ほとんど眠ってないんだから、起こさないでほいい。ってか寝かせろ。
椿がテイクアウトしてきたサンドイッチとかサンダーアンダギーとか、ところどころ沖縄っぽい食品が入った朝ごはんを並べながら外をを見る。
潮風に前髪を浚われながら、椿が撮影を見る。
もう俺にはその表情の意味が理解できていた。
「あのさ、寒田さんが近いうちに雷也のマネージャーを辞めるらしいんだ」
「……へえ」
知ってるとは言えない。
俺は黙って、椿が煎れた珈琲を啜る。
「俺、雷也さんのマネージャーになりたい」
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