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今も緑に抱きしめられた温もりが肩に残っている。
大切だった。
今はもう、――後悔しかしない恋だった。
これから一緒に居るには、辛すぎる。
俺と緑は、思い出を美化しすぎて、時間が止まったまま。
だけど、俺の時間を動かしてくれたのは、緑ではない。
緑には、素直じゃない俺でも全て受け止めて包んでもらえた。
俺はあいつに甘え過ぎていて、我儘になっていて、だからあいつの嘘が許せなかったんだ。
俺は、今度は受け止めてやれるような大人になれるだろうか。
俺の為に、KENNがついた嘘を、俺は――笑いとばしてアイツにちゃんと言えるんだろうか。
飛行機の中で、小さくなる沖縄を見ながら、不覚にも涙しか出て来なかった。
こんな情けない俺は俺じゃない。
俺はもっと強くて、一人でも生きていけるような奴だったはずだ。
こんな俺を俺は受け入れてくなくて、情けないしみっともないし。
このままいなくなれるならなっている。
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