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俺がKENNの手を取ってから、こいつはガキの様にブンブン尻尾を振って俺を喜ばせようとしたり、やたらスキンシップが激しかったり。
おまけにこれだ。いつかするんじゃねーかと思ってたけど。
椿の気持ち云々と言って渡してた新曲から、――半年も経ってねーンだけどな。
「まあ、発売日に聴いてやるから持ってこいよ」
「今、此処で耳元に囁いてやろうか」
「結構だ」
甘い声でそう言うと、KENNがソファにそのまま雪崩れ込むように俺に覆いかぶさって来た。
「KENN。あのなあ」
「分かってるよ。アンタは、全然素直じゃないから、時々嘘を吐くんだ。恥ずかしいから冷たくしたり、な」
「――性分だ」
「諦めてやるから、もっと甘い嘘、ちょうだい?」
にやりと笑うとKENNの手が俺の唇に触れた。
「断る」
「太陽」
「まずは、飯だ。い、一緒に飯を作るぞ」
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