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千秋が仕事が休みだったらしく、二人でデートがしたいと誘われ、緑が椿を預かってくれたある日。
眠たくなるような映画のあと、千秋は車で。俺はバイクで帰るために、バイクで車まで送りながら他愛ない会話をしていた。
「それでさ、緑の奴がさ、椿の初寝返りでうるうるしてんだぜ。お前が父ちゃんかって」
まぁ父ちゃん並みには面倒見てくれてるけど。
寝返りもできるし足で床を蹴飛ばしてくるくる布団の上を回り出した。
その姿をデレデレ見てしまうんだから完全に俺らは親バカだけど。
「部屋で遊ばずように子供用バイクとか買いたいけど、緑がまだ早いって言うんだよ。せめてハイハイ出来るようにとか」
「あの! 太陽さん!!」
千秋が泣き出しそうな震えた声を張り上げた。
「ん?」
「も、う……」
泣き出しそうな、じゃない。
千秋は泣いていた。
「もう二人で会うの、止めませんか」
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