三言、バタバタ子育て。

33/35
前へ
/452ページ
次へ
「太陽さんは、椿君に愛情を注ぐのは、どこから生まれた愛情か分からなくて、混乱しているんだと思います。 愛する人の子供だから、 欲しくて望んだ子供だから、 愛を育んで愛する人が産んでくれたから、 ――このどれにも太陽さんは当てはまりません。 でも、好きなんですよね? 愛してるんですよね?」 「ちょっと、お前の言っている意味が分からない」 難しいと言うか、遠回しな言葉選びが俺を混乱させていく。 つまりは? 「愛情を知らないって言い方は失礼だけど。貰ったことないのに、自分から生まれてくるのが不思議で、――俺や千秋先生に理由になって欲しかったのかなって」 理由になって。 利用しようとしたのは、間違いない。 不安を、安心できるこいつや千秋で払拭させて――甘えたかったのか。
/452ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2923人が本棚に入れています
本棚に追加