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「あ、もしもし? クソジジイ、生きてるか?」
椿はミルクから完全に離乳食へ移り、夜泣きも減り、
おまけにふらふらしながらも歩き始めもうすぐ一歳の誕生日。
俺は全く帰っていなかった実家のクソジジイに、そういえば椿の事を言ってなかった事を思い出した。
『忙しい時に何だ。このバカが』
相変わらず口が悪い60近いクソジジイは、なかなか死にそうにない元気な声で、思わず舌打ちしそうだ。
「忙しいって、『フラワー華野』なんてだっさい花屋に客なんか来ねーだろ」
『ぎっくり腰で寝てて痛いんじゃ! 用件がないならぶち殺すぞ! クソガキが!』
切れたジジイが叫ぶので仕方なしに電話を椿に渡す。
「椿、ほら電話だぞ」
「あーぅ あ?」
あーぅとか何くそ可愛いんですけど。
「じーじぃ死ねって言ってやれ。あ、初めて喋る言葉は『パパ』な」
意味が分かっていない椿は携帯をむしゃむしゃ食べだした。
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