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「くっそ。腰がダルい」
「すみません」
「それに此処、ヒリヒリするんだけど」
「開いて見せないで下さい」
身体中が石のように重く、鈍く骨が軋む朝。
頭の中が吹き飛んで真っ白になって、気絶するまで抱かれた。
誘ったら、ブレーキが壊れてアクセル全開でがっついてきたのは緑だ。
「やっぱ若いと、元気になるのが早い」
「一歳しか違わないじゃないですか」
「だがお前は元気で椿の離乳食まで作ってるだろ」
「すみません……」
俺だけ負担が大きいなんて理不尽だ。くそ。
おかげで昨日の事は、記憶の奥の奥まで突っ込まれた気がする。
「あのさ」
「はい。お水ですか?」
「や。俺さ、親父さんとこで働くの辞めようと思ってる」
無謀だよなぁと頭を掻き起き上がると、何も身に纏っていない生まれたままの姿で緑を見下ろす。
「服、着てくださいよ。あと子どもがいるので再就職は難しいと思います」
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