第1章   温かい夫の冗談

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私が夫に母に返事をすることを告げた後、 夫はこんな冗談も忘れなかった。 「但し、うちにそれだけのお金があればだけどね。 そこはお前に任せるよ。 俺はお金のことは全くチンプンカンプンだからね。 そこは頼むよ、俺らが路頭に迷わないように しっかり計算してくれよ」 そして、こうも付け加えることを忘れなかった。 「おい、お金は貸すだけだからな。 ちゃんと返してもらってくれよ。 俺たちには食べさせてやらなければならない 可愛い子猫が二匹もいるんだから」 「この子猫たちはちゃんと食べさせてやらないとうるさいぞ。 にゃんにゃん泣きわめくぞ。 それも美味しいものを食べさせてやらないと、 すぐに機嫌が悪くなるからな。 本当に我が家の子猫たちは厄介なもんだ」 そんなことを言う夫の顔は穏やかでいたずらっぽかった。
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