第1章   温かい夫の冗談

3/3
前へ
/32ページ
次へ
「そんなことわかってるよ」 そう目で合図した。 夫のさりげなく茶化すその姿に、 私の思いは言葉にならなかったのである。 「そんなこと当たり前でしょ。 だって、今の私が一番大切なのは、このうちの家族だよ。 私はあなたと梨子と七海と一緒にいられる この家が大好きなの。 今はここが私の家。 これが私の家族。 これだけは守らなきゃって思ってる」 私は心の中でこう続けた。 私と夫の心と心の会話だった。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加