突然の捧げ物

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牧田にしては、センスのいい居酒屋。 あまりうるさ過ぎないし、個室みたいな空間を作ってくれてるから、周りの客も気にならない。 ただ、牧田と二人、という点では、この空間はあまり嬉しくないけど。 「美岬ちゃんは、温泉行きたいそうです。」 「だよねー、そうくると思った。去年は観光に予算かけたら、旅館失敗だったから、今年は観光適当の旅館豪華にしよっか?」 「そうですね。旅の醍醐味は旅館ですからね。」 意外にも牧田はお酒が弱いらしく、飲める顔をしてるくせに、大人しい飲み方をしている。 「牧田さん、あたし、お代わり頼んでいいですか?」 牧田はまだ一杯目だけど、あたしはすでに三杯目だ。 「地味子って、全然、顔色変わんないよな?」
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