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「……というか、なんであたしなんですか?処女だと思ったからですか?」
誰でもいいなら、美岬ちゃんだって、事務の大川さんだって、その辺にいるギャルだって、誰だって良かったはずだ。
男なんだから、一人で飲みに行けば、誰かしらお持ち帰りできるんじゃないの?
暫く、じっと牧田に見つめられる。
弱いお酒を飲んでる牧田の目は、少し充血してて、それでも、あたしから目を放すことなく、鋭い視線がささる。
あたしも負けてらんないと思い、牧田の目を睨み返す。
カタンと小さな音がして、牧田の両手があたしの前に伸びてきて、かけていたメガネが外された。
「…ちょっと、メガネ……。」
視力が落ちて、ボヤけて見える牧田の顔が、ふにゃりと緩んだかと思うと、優しさ溢れる笑顔で満面になった。
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