プロローグ

3/3
1463人が本棚に入れています
本棚に追加
/368ページ
彼の指が、素肌をなぞるその瞬間、頭の中が真っ白になって、身体中が熱くなっていく。 「…皐月っ…」 耳元に熱い息がかかり、わざといやらしい音をたてて、耳を舐め回す舌先。 「あ……ん…」 甘美に酔いしれるその瞬間。 愛されてるという錯覚。 夢中になる行為にどんどん大胆になっていく。 身体が繋がっていくこの情事は、常識を逸脱して、見たこともない世界へと繋がっていく。 愛されてるという確証は、これだけではわからない。 信じるということが、どれほど難しいのか。 でも、少しでも目に見える真実が欲しくて、今日も彼に抱かれる。
/368ページ

最初のコメントを投稿しよう!