恋に落ちるということは

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「へーぶっしゅん!」 フロアに響き渡るどでかいくしゃみ。 「あー、やべぇ。風邪だな、こりゃ。」 「牧田さん、大丈夫ですかぁ?」 「牧田、今日の定例会、不参加でもいいぞ。」 「美岬ちゃん、やさしーね。ありがと。社長、行くに決まってるっしょ?」 毎月、給料日、社長自らの提案で、定例会という名の飲み会が開催される。 バツイチ、独身の寂しさを、少しでもいたわれ、というスローガンのもとに、この定例会は続いていた。 「牧田さん、マスクは外さないでくださいねっ。移りたくないですからぁ。」 「…うす。美岬ちゃん、そんな、バイキン扱いしないでよ…。」 「だってぇ、今週末、風邪で寝込むなんて、さいてーですもん。」
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