シャンデリア

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 太陽が沈み、顔だした月に勝るほど明るいきらびやかなパーティー会場。高い天井から吊り下げられた豪華なシャンデリアに華やかな衣服に着飾った男女たち。様々な思惑を胸中に抱き、微笑を携える。  人溢れる会場の隅で紫を基調としたドレスに身を包んだ、藤川ちるは途方に暮れていた。 (どうしましょうー。会場に出たのはよかったのですが、作法が全く分かりませーん……)  この西の王国に滞在中、元は自宅に送られたが店の主人がこちらの宿泊先宛てに送りなおしてくれた文が届いた。それにしたがい、この会場まで来たのが、立食パーティーなど出席したことがない。マナーもわからず、身動きが取れないでいた。 ――無知は恥ずべきことではありません。知ったふりをすることが恥ずべきことなのです。いいですか、尋ねることを恐れてはいけませんよ。 (おばあちゃん、)  祖母の訓戒を思い出し俯き気味だった顔をあげ、背筋を伸ばした。 (どなたに聞けばいいんでしょうかー?)  早速、壁にぶつかる。  すると、救いの声がかかった。 .
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