創幻小話

アルバート・リヴィオン

【過去について】

アルはセシリアと同様、アルカナ帝国東部の家に生まれ、双子の姉であるセシリアとほとんど一緒に成長して行きました。最初は双子の姉ということでライバル意識を持っていたのですが、徐々に淡い恋心を寄せるようになります。そのきっかけは、冬に習いたての氷魔法を使って庭に氷の結晶を楽しそうに作っていた姿が、可愛かったかららしいですが、実際にはいくつものの要因が重なり合って好きになったはずです。

ただ、大切な双子の姉なので守りたい、と子供の頃は思っていたらしいのですが、セシリアの方が出来がよかったので逆に守られることの方が多かったようです。この頃のアルの魔法は発動自体失敗することも多く、出来損ないと呼ばれることも多かったようです。（そこから現在の二つ名が生まれた）

セシリアが学院へ行くと言い出した直後は自分も行こうとしたが、たまたま偶然現在契約しているサマエルと出会い、さらっと「学院へ行こうとする理由が不純すぎ」と馬鹿にされます。そこでようやく、学院でもセシリアに負け続けるくらいなら……と思いとどまり、セシリアとセシリアが帰る場所を守りたいと、それはそれでかなり不純な動機を抱えたまま軍へ入りました。アルは努力するのですが、それがあまり実っていない時にセシリアは学院から帰ってきてしまいます。

軍に入るときに両親の思惑（帰ってきたら家から出さないつもりでいること）を知ったアルは、セシリアを守るためと精一杯の努力として手紙を出しました。それを読んで戻ってきたセシリアが家に帰らず軍に入ってきてしまったので、アル本人としてはかなり焦ったようです。配属された隊が違ったらしくて普段は顔を合わせずに済みましたが、しばらくしてセシリアが先に昇進しまいました。そこでもかなり焦ったアルは、必死に努力して少佐になりますが、その頃にはセシリアは中佐に昇進していたので、また凹みました。

少佐になってアルカナカードを使って召喚をしたときに現れたサマエルの姿を見て、アルが顔を真っ青にして叫んだのはある種黒歴史として影で語られているとか。

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