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【過去について】
シャルはエルフ達が住む森の中に生まれたのですが、生まれつきの魔力の強さのため魔法を自分の意思など関係なく発動させてしまうことが多々ありました。特に、シャルの魔法で一番恐ろしいのは『精神干渉系魔法』です。適性としては天賦の才、とまではいかないにしろ、物事の善悪がよく分かっていない子供が使って良いような魔法ではないことは確かです。
その上、精神干渉系魔法には禁忌として忌み嫌われるもの多くあるため、その魔法が使えるだけで充分シャルを避ける理由として成り立っていました。特に意図することなく『洗脳(マインドコントロール)』という禁忌に触れた魔法を発動させることも出来たので、親ですら我が子であるシャルのことを恐れていたようです。
そんなとき、森の外から一人のハーフエルフがやってきました。本来であれば追い返すところでしたが、そのハーフエルフが精神干渉系魔法に対して強力な耐性があったため、滞在中はシャルの相手をするという条件付で滞在を許可されました。シャルは、その時初めて自分のことを叱ってくれる大人と出会い、外の世界について興味を持つようになりました。
しばらくして、ハーフエルフが森から出ることとなり、シャルは魔法を使わずに周り(親や里のエルフも含む)を説得し、無理矢理そのハーフエルフの弟子になって長い旅をするようになりました。その時に、各勢力の昔の姿とか前身となったところを見ていたことになると思います。これが現在の時間軸から約580年前の出来事になります。
それからだいたい30年ほどかけて世界中を周り、無理矢理師匠になってもらったハーフエルフの下で魔法の腕を着実に上げていきました。その旅の最終地点としてやってきたのが、師匠の故郷であり現在リベルール学院があるカルム島でした。カルム島でシャルは師匠と共にしばらく暮らしながら島民の悩みや困りごとの解決に当たっていました。しかし師匠であるハーフエルフが病に倒れ、最後に「カルム島を守って欲しい」と言い残して亡くなってしまいます。
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