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「もうリューイチ! 見つかったら怒られるのは私なんだからね」
セラは怒るが、リューイチは知らん顔で、またセラのベッドの上に戻っている。
相変わらず窓枠に足をかけて、セラのお説教など、どこ吹く風と、ジッと階下を見つめている。
まるで、大きな黒ヒョウのはく製みたいだ。
暖簾に腕押し、糠に釘。
そして、ネコに小判。
最後のは何だか違う気がするが、ネコ相手にムキになるのも馬鹿馬鹿しくなって、セラはさっき飲んだミルクティーのカップを片付けようと立ち上がった。
すると今度は、
『ピンポーン』
1階からのインターフォンが鳴った。
こちらはカメラが無いので音声のスイッチを入れてみると、みみこからの宅配便だと言う。
ロックを解除して来訪を待つ間、思わずリューイチに言い聞かせていた。
「いい? あなたが見つかったら、本当に困るんだからね。今度はおとなしくしててね」
果たしてどれだけ効果があるものかと危ぶんだが、
今度はリューイチは、宅配便が来ても玄関に来ることもなく、ベッドの上で興味のない顔で寝そべっていた。
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