第三章

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箱の中に入っていたみみこからの指示に、セラは絶句する。 みみこの宅配便はクール便で、中にはマグロの柵どりとヒラメの刺身が入っていた。 最初はセラへのプレゼントかと思ったが、 他には、お馴染みのネコ缶やキャットフードの姿が見当たらない。 刺身の他には無塩のチーズと有名レストランのフォンド・ヴォーの缶詰があった。 まさかと思いながら、みみこの字で書かれた手紙には、それらの原材料をつかったリューイチの食事メニューのレシピがあった。 呆れたことにフォンド・ヴォーも塩分なしの特別製だ。 「あんた、いいもの食ってんのね」 思わず呟いたら、リューイチがこちらを見て、 『フッ』 と鼻で笑った気がした。
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