セラちゃん 第一章

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それは、一本の電話から始まった。 「どういうこと?」 セラは電話の向こうで首をかしげる。 「ネコってみみこ、旅行でも行くの?」 「ううん。検査入院で一泊二日なんだけど、リューイチってば一緒に行くって聞かないのよ。 黙って出ても絶対ばれるし、ばれたら絶対、後が怖い」 セラは怪訝に眉をひそめる。 「え? ネコでしょ、そのリューイチくん」 「うん、ネコだよ」 「ネコが一緒に行くって言うの? ネコにバレて、一体なにが怖いの?」 「ネコだけど、ウチのリューイチは怖いのよ!」
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